もううんざり…「固定資産税を安くする方法」お教えします

例によって、国は教えてくれないから
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課税明細書をチェック

実際に納める税額については、納税通知書に記載されている通りだ。

だが、税金を減らしたいならば、見るべきものは納税通知書ではない。同封されて送られてくる「課税明細書」こそチェックすべきだ。(下の図を参照)

課税明細書には、土地や家屋の所在のほか、土地の面積や価格など細かい数字が並ぶ。毎年確認をしているという人は多くないだろう。

まず家屋(建物)については、毎年、自動的に固定資産税評価額が下がる仕組みになっている。

「純木造なら22年で価値がゼロに近づきます。長く住めば住むほど、家にかかる固定資産税は勝手に安くなっていくのです」(前出・黒木氏)

 

自分の力で固定資産税を減らせる可能性があるのは、土地についてだ。上の図を見てほしい。税金を減らすために見るべきポイントは3つある。

1つ目は、現況地積(A)だ。これは市町村が把握している面積で、登記の面積とは別ものだ。固定資産税は、この現況地積に対して課税されるが、この面積が間違っていることがある。

「昔からの土地は、正しい実測がされていない可能性があります。正確な面積を測りなおした結果、課税明細書にある現況面積より狭いとわかれば、税金は安くできる。

公用道路など、本来は非課税の土地が、現況面積に誤って含まれていないかも確認したほうがいい」(前出・星野氏)

2つ目のチェックポイントは、価格(B=固定資産税評価額)を現況地積(A)で割って出る1平方メートルあたりの固定資産税評価額だ。

これを周辺の土地と比べたときに、金額に大きな差があれば、土地の評価額が間違っている可能性がある。

では、どうやって周囲の土地の固定資産税評価額を確認すればいいのか。

「固定資産税の縦覧という制度があります。東京都の場合、例年4月の初めから7月の初めまでの間なら、各区にある都税事務所で、他の土地の固定資産税評価額を調べられます」(税理士・森田純弘氏)

もしこの期間を過ぎてしまったとしても、固定資産税の誤りに気づく方法はある。

固定資産税評価額は、公示価格の70%を目安に設定されている。よって、公示価格に0.7をかけた価格と、課税明細書にある価格(B)を比べれば正しい固定資産税評価額がわかる。

公示価格は、国土交通省の「土地総合情報システム」というWEBサイトで調べることができる。簡単なので、今すぐ試してみよう。

さらに、土地の状況が価格(B)に反映されておらずムダな税金を払わされていることもある。

「たとえば、斜面になっている『がけ地』が抜けていることがあります。これに気づけば、2~3割評価額を下げられます」(前出・黒木氏)

最後にチェックしたいのは、課税標準額(C)に減免措置が適用されているかだ。

住宅が建っている土地は、200平方メートルまで小規模住宅用地(D)という減免措置によって、固定資産税がかかる課税標準額が6分の1(都市計画税は3分の1)になる。

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