好立地=高収益?知られざるコインパーキング運営の実態
駅前をはじめとして、街中のいたるところで目にするコインパーキング。
そんなコインパーキングに興味を持っている人は(今まさに駐車する場所を探しているというニーズを除けば)大きく分けて2種類と言えます。
- 土地活用の選択肢としてコインパーキングに興味がある
- 投資の選択肢としてコインパーキングに興味がある
本ページでは、そうしたコインパーキングの知られざる実態について解説致します。
土地活用としてのコインパーキングの始まり
土地活用の手段としてのコインパーキングという選択肢は90年代前半に急速に広まりました。
背景には、道路交通法の厳格化によって路上駐車が取り締まられやすくなったことと、バブル崩壊で不良債権となった土地が都市部に点在していたことがあります。
土地を所有しているだけ固定資産税がかかることを考えれば、ただ遊休地として放置しておく理由はありません。
しかし、広さや形の問題から不動産などといった手段が取れない土地も少なくありませんでした。そういった土地の所有者に、コインパーキングの初期投資の低さや、不動産などに比べて現状復帰が容易という点はとても魅力的なメリットに映ったのはいうまでもありません。
また、仮に1年後に土地を売却する予定があった場合、不動産を建てて投資分を回収し現状復帰するというプランは現実的ではありませんが、コインパーキングであれば売却までの短期間に絞って経営し、土地売却前に更地へと現状復帰するという手段も取れます。
「数ヶ月前に利用した駅前のコインパーキングに停めようと思ったら、ビルの建設現場になっていた」といった経験がある人もいるのではないでしょうか。
住宅地の中のコインパーキング
投資の選択肢としてコインパーキングを検討している場合、多くの場合は駅前や繁華街の路地裏にある高稼働している現場を想像するかと思います。
しかし、現実にはコインパーキングはそういった場所以外にも存在します。
図1.コインパーキングが必ずしも駅前・大通り沿いにあるとは限らない
上の図のようにweb上で検索したり、駐車の予約アプリで調べたりすれば、行ったことのないエリアのコインパーキングでも探すことが出来ます。
とはいえ、普段の通勤・通学に利用している道から外れていれば、近隣の住民であっても気がつかないような場所にコインパーキングがあることも珍しくありません。
こうした住宅地のコインパーキングは2006年以降増え始めました。
これには、道路交通法の改正によって、違法駐車の罰則が強化されたことと、違反の取り締まりが民間に委託されたことで、今までは見過ごされてきた住宅地の違法駐車が取り締まられることが背景にあります。
駅前と住宅地…違うのは立地だけじゃない?
駅前と住宅地のコインパーキングを比較した場合、漠然と駅前の方が高利回りが期待出来そうなイメージがあります。
では、住宅地でコインパーキング運営を行うことにメリットはないのでしょうか。
表1.立地によるとコインパーキングの比較
上記の表は、2つの立地でコインパーキングの運営を行った場合の特徴をまとめたものです。
住宅地のコインパーキングは、開業してから即座に満車になるといったような高い稼働は期待出来ません。
というのも見込み客を周辺の住民、あるいは周辺の施設利用者に絞っているため、その層にコインパーキングがあることを認識されるまでは、そもそも利用者自体がとても少なくなるからです。しかしながら、一度その存在が認識されればそうした人たちが固定客となるため、安定的な収入が長期的に見込めます。
また、住宅地に比べれば土地の価格が安いため採算ラインも低く設定できます。このことは「初期投資を抑えてコインパーキング投資を行える」というコインパーキング投資のメリットにも合致します。
一方、駅前の物件はイメージの通り、立地を活かした集客とそれに伴う高い利回りが期待できる反面、好立地ゆえに土地代が高額になってしまいます。
「近くに進出してきた競合他社に利用客が流れて収益が伸び悩む」ということは、立地に関わらずどこにでも起こりうることですが、コストが高くなるがゆえに採算ラインも高くなってしまう駅前の物件は、ある意味リスクも高いと言えるでしょう。
もちろん、あくまで上記は何もない状態からの投資を行った場合の話ですので、駅前などの人の往来が多いエリアに遊休地を所有しているのであれば、コインパーキング運営は魅力的な投資手段と言えます。
まとめ
土地を既に持っているのであれば、その立地に関わらずコインパーキングは魅力的な活用方法と言えます。
また、投資の手段としてコインパーキング運営を1から始めるのであってもコインパーキングは有力な選択肢で、中でもローリスクで始めることが出来る住宅地での運営はハードルが低いと言えます。